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本物に出会う

執筆者の写真: バンド・ワークショップ 深谷バンド・ワークショップ 深谷

澤田です。 ギター担当です。


私は趣味を仕事にしてしまったので、今は「趣味は何ですか?」と訊かれると「料理です。」と答えてます。


料理と音楽って似てるんです。


料理していて、一番考える事は「美味しいか、美味しくないか?」ですよね。

美味しいならそれでいい。

でも美味しくなかった時に「どうすれば美味しくなるんだろう?」って考えますよね?

何が足りないのか?


私は料理は素人ですけど、こういう時にどうすればいいのか?とかはなんとなくわかります。


こういうことってできない人はきっとずっとできない。


音楽も同じじゃないでしょうか?


今出てる音をどうしたらもっと気持良い音にできるか?

わからない人にはきっと永遠にわからない。


こういうことって子どもの時の体験が全てだと思うんです。


私の母は企業に努めていましたが、いわゆるOLではなく、歌を歌って全国を周り、会社の製品を売るといういわゆるコーラスガールでした。

某国営放送のオーディションも受けたけど給料が安いので断ったそうです。


母は子どもの頃から歌が好きで、その頃には珍しい音楽科のある高校に行って勉強したそうです。

うちは山の中で、いつも瀧の近くに行って歌の練習をしていたとか。

声帯を診る医者に行った時に「5万人に1人の喉」と言われたそうです。


そんな母に育てられた私は歌は嫌いでした。笑


でもギターはすぐに夢中になった。


夢中になったら脇目も振らず、というところは母譲りなのかもしれません。


私が中学生の時に深谷駅前に当時あった「キンカ堂」というショッピングモールのようなところの屋上にBOWWOWというバンドが来るというので聴きにいきました。 BOWWOWといえば音楽雑誌によくでている山本恭司さんのいるバンドです。

友達とみんなで聴きに行った私は衝撃を受けました。


当時のBOWWOWは少しポップな曲をやっていましたが、恭司さんのギターはとても気持ち良かった。

それが私がギターにのめり込むきっかけになったのは言うまでもありません。


そんな私は音楽学校へ行き、そこで講師になり、同じ講師としてやってきた恭司さんと再会します。

といっても向こうは当然私のこと等知りません。

でもピックを頂いたり、ギターも弾かせてもらったりして嬉しかったなぁ。


そういう子どもの頃の体験ってとても大事な気がするんです。


イチローが引退会見で言ってました。

「子ども達に言うことがあるとすれば、夢中になれるものがある人は壁にぶつかった時にきっと乗り越えていくことができる。そういうものに出会って欲しい。」 みたいなことを。


私もそう思います。


今の子ども達は私が子どもの頃に比べて遊ぶところもない、やらなきゃいけないことがたくさんある。

私はそれは子どもにとっては悲しいことのほうがと思います。

自分でいろんなことを体験して、いろんな本物に出会って欲しい。

そうすればきっと大人になった時に「あれがあったから今がある。」と思う時が来る。

そう信じています。



 
 
 

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